5千年以上の長い小麦の歴史を遡ると、小麦は野生のエンシェント・アイコーン(ancient einkorn;古代一粒小麦)から始まり近代の小麦へと品種改良されてきました。しかし、1960年代に人工的突然変異技術によって古代小麦よりも大粒で収穫効率が高い現代小麦(モダンウィート;modern wheat)が登場しました。
この現代小麦は、それまでの古代小麦よりも大粒で多くのタンパク質成分でできています。現代小麦は古代小麦よりもはるかに強いグルテンを含有しています。
そのため、1960年代に登場した現代小麦で作られた食品を摂取した多くの消費者が原因不明の健康被害に襲われました。
原因は現代小麦に含まれる強力なグルテ物質でした。古代小麦などのグルテンは体内で100%分解されて排出されますが現代小麦のグルテンは人の酵素では100%分解できず、グリナディンのようなタンパク物質が体内に残留し様々な健康被害を引き起こすことが解っています。
では、古代小麦と現代小麦では、それぞれが含有するグルテンの強度はどれぐらいの差があるのでしょうか?
古代小麦と現代小麦のグルテンの強度がどれほどちがうのかビジュアルに理解できる動画をご紹介します。
次の動画では、古代小麦と現代小麦をそれぞれ400gの生地にした後、生地を洗って澱粉を洗い流して、水に溶けずにどれくらいのグルテンが残るかを実験しています。
古代小麦の生地はグルテンが弱いので水に溶けて残らないのに対して、現代小麦の生地は水に溶けないグルテンの大きな塊が残っています。人の体内でもこれと同じことが起きています。このように残留したタンパク物質が体内のさまざまな部位に蓄積して遅性アレルギー(炎症)を繰り返して引き起こし、いろんな病気の原因になります。
水に溶けずに残った現代小麦のグルテンの塊