国は主食用米の需要は水田全体の6割で賄えるとしています。 米の国内自給率をこれ以上下げないためには、残り4割の調整水田を活用する必要があります。 2009年以前、硬度の違いによって米粒を小麦粒のように微細に大きさ・形・質を均一にして製粉することはできませんでした。 しかし、2009年末に福盛幸一氏の「加水気流粉砕製法」の完成によって、大きさ・形・質が均一な微細米粉の製粉が可能になりました。 国民の健康促進、予防医療の観点から政府主導で米粉パンの市場形成を図り、米粉需要を喚起して米粉用米の耕作に調整水田を活用すればいいのではないでしょうか。 現在、政府は輸入小麦500万トンの10%50万トンのを米粉に転換しようとしています。それを面積換算すると約10万ヘクタールの調整水田活用に繋がるといいます。 2010年(平22)3月に「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定され10年後の2020年(平32)年度に米粉用米の生産量を50万トンにするといいます。 2008年(平20)に566トン(作付面積108ha)に過ぎなかった米粉用米が2009年(平21)に13041トン(2401ha)、2010年(平22)に27796トン(4957haha)と増加しました。 そして市場ではここ数年で米粉製品が続々と販売されるようになりました。 しかしながら、米粉市場は国が考えているようには成長していません。 作付面積が増えた理由は補助金であり、高値設定の米粉の販売は低迷するので米の値段はどんどん下がり倉庫にあぶれています。 いかに政府が一時的なブームを煽って米粉パンを宣伝しても、小麦パンに比べて割高な米粉パンは消費者の需要を喚起していません。 今のような政府のやり方では米粉食品の潜在市場は形成できません。 しかし、欧米市場では、食市場における大きな健康被害問題になっている遅性小麦アレルギー症であるグルテン不耐症予防対策として小麦の代替え食材として米粉の利用が促進されています。 近年、北米のグルテンフリー市場は急成長しています。 2008年~2012年の期間中CAGR(カグル;年平均成長率compound average growth rat)は28%となり、2012年の市場規模は4200億円で、現在既に6000億円を超えています。 欧米ではマスメディアが取り上げるので潜在市場が急激に拡がり、 無農薬オーガニック食品 非遺伝子組換食品 に続いてグルテンフリー食品のコーナーが多くの食品売場で見られるようになっています。 ところが日本では、マスメディアがほとんど取り上げないので、日本の消費者はグルテン不耐症という病名すら知りません。 たとえ何かで聞いても急性アレルギーと遅性アレルギーの違いさえ知識不足で知らず何の病気かも理解できません。 |