1990年代に中国で養殖して日本に輸入されていたタイショウエビに病気が発生したため代替品として初めて輸入されました。 クルマエビ、タイショウエビ、ブラックタイガー、バナメイはどれも同じクルマエビ科ですからどれも美味しいのエビです。 その後、インドやタイでも養殖が始まり、2000年に入ると中国、マレーシア、インドネシア、ベトナムでも養殖業者が増え、今では世界の総エビ生産量の6割以上がバナメイエビで更に増え続けています。 バナメイ養殖池(タイ) 近年、日本でも、ほとんどの量販店はブラックタイガーの扱いを減らしてバナメイに切り替えています。 バナメイエビは黒っぽい色のものから白いものまで色々です。 エビの色は淡水域での生息期間が長いエビほど白くなり、海水域での生息期間が長いエビほど黒くなります。中間の汽水域で生息するエビは中間の色になります。 海水域しか生息しないブラックタイガーはほぼすべてが同じ色になるということです。 バナメイエビは生息する養殖池の環境で品質が決まります。 例えば、泥の溜まった養殖池のエビは泥臭くなります。海で発育するブラックタイガーとちがいバナメイエビは安い価格にだけにこだわらず商品を選別することが大切です。 色の白いエビは茹でても鮮やかな朱色にはならないので関西地域では売り辛い傾向があります。養殖時に着色する方法もありますがお勧めはしません。 バナメイエビは業者にとっては歩留まりがよく二期作もできる魅力的な商品ですが、量販店が質の悪いバナメイを売れば市場価値は下がります。 世界的にバナメイエビの生産が拡大したのは、バナメイが病気に強く、ブラックタイガーが発育に4ヶ月かかるのに対してバナメイは丈夫で3ヶ月で発育し、淡水での高密度養殖も可能だからです。 同じ容積の養殖池でブラックタイガーの2、3倍の量を収穫できます。 ブラックタイガーは養殖池の砂上や砂中で生息するので、砂地の面積でエビの養殖数が決まるのですが、バナメイは水中で生息するので砂地面積ではなく養殖池の容積に比例して養殖数を決めることができるのです。 こうした理由でブラックタイガーからバナメイに転作する養殖業者が増えたためブラックタイガーの生産量が減少してバナメイの生産量が増加しています。 養殖率が良くエビの価格もブラックタイガーより3割くらい安く、天然エビと比べると1/3くらいの価格になっています。 |