土人と愚民ですか。昨今の日本国を見ていると確かにそう思うことばかりですね。 宮台真司さんは日本は民主国家ではないと仰っていますが皆さんはどう思われますか? 大阪のちょっとおっちょこちょいの橋下さんは維新だ~と叫んでいます。 維新とは変革のことです。明治の変革で国の悪い部分が無くなり良い国になったはずなのに、どうして愚民の国になったのでしょうか。その変遷を考察しましょう。 明治維新は政治支配体制を一新して刷新したと教科書に書かれていますが、 悪い部分を取り除いて良い政治体制にしたでしょうか?私は、悪い部分を他の悪いものと取り換えただけだと思います。 廃藩置県によって武家支配の時代は終わりました。 しかし、武家に代わって華族(公卿と諸候を併合)、後に華族令によって制度化された名門家系なる支配者階級が形成され、江戸時代に増して国民の民意は完全に排除され、明治・大正・昭和と他国と戦争し最終的に悲惨な敗戦に至りました。 敗戦によって、戦前の天皇制政治と財閥系企業に支配されていた経済体制は、天皇制維持の藩屏となっていた華族制度の廃止と財閥解体によって刷新され、宮中政治の象徴であった枢密院・元老院・貴族院は廃止され、主権在民が掲げられ、政治は国民選挙で選ばれた国会議員に委ねることになりました。 国民は、今度こそ日本の支配体制が刷新されて本当の民主国家になると期待しました。 しかし、日本は戦後約70年経った現在も、戦前の形を変えより強い権力を持った一握りの新支配者階級によって支配私物化されています。 明治維新では、公・候・伯・子・男(公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵)と等級区別された華族と称する支配者階級が形成され、天皇制を守り維持する藩屏として機能しました。 戦後は更に判りづらくなり、所謂「ニューエスタブリッシュメント(新支配者階級)」と称される形に化けました。 新支配者階級は、戦前の旧華族を中心とした名門家系、戦後の新興勢力(財界人家系)、政治家・官僚を含めた時代の権力者家系によって形成されています。 新支配階級は戦前のような法令による定めこそ無くなりましたが、天皇が主催する宮中晩餐会のような集会の招待者宮中席次と、華族制度の廃止で昭和21年に廃止されながら政治家や官僚ら権力者の要請によって昭和38年、時の池田内閣が閣議決定し復活させた生存者叙勲制度との2つにより天皇家との距離に順じて決められています。 2011年の福島原発問題を機に、日本の支配構造を刷新すべきとの声が全国で湧きあがりましたが結局何も変わっていません。 それどころか、新支配者階級の権力者たちは露骨に権力拡大に懸命になっています。支配者による国民搾取が年々ひどくなり、汚職が蔓延し国民の貧困度は先進国中最悪になっています。 宮台さんのご指摘通り、日本は歴史の中で民主国家であった時期はありません。 国民を犠牲にして肥え太る新支配者階級が闊歩する日本は正に愚民国家と呼ぶに相応しい国かもしれません。 |