「牛乳の飲み過ぎが健康に悪い」とするスウェーデンの研究結果に対し、自民党農林議員が困惑している。 研究チーム自らが「偶然の可能性も排除できない」としているにもかかわらず、インターネットなどで大きく報じられたため。 過去にも「牛乳は有害」という誤った情報が流布され、消費の減少につながったことがあり、「正確な情報を発信すべきだ」との声が上がる。 問題の「牛乳有害説」は29日付の英医学誌に掲載された調査結果。 スウェーデンの研究チームによる同国人の調査で「牛乳摂取量の多い人は、少ない人と比べて寿命が短く、女性では骨折が増える」との結果が示されたという。 AFP通信などが伝え、日本ではヤフーをはじめとするインターネットのニュースサイトが大きく取り上げた。 ただ同通信によると、この結果は「牛乳を1日に3杯以上飲む人」という、やや極端な例。 また当の研究チーム自体が、牛乳の摂取量と死亡率や骨折との関連性については「偶然の可能性も排除できない」としているという。 消費者に誤解を与えかねないこうした情報に対し、30日の自民党畜産・酪農対策小委員会でも懸念の声が上がった。 江藤拓前農水副大臣は「生産者に迷惑をかける」と指摘。 かつても日本の著名な医師が牛乳有害説を唱え、牛乳の消費に悪影響を与えた経緯を踏まえ、農水省に「何か反論はできないか」と正確な情報を発信するよう求めた。 日本農業新聞 2014/10/31 |