ライオンの歯の効能 2014/9/26 <ご質問>タンポポコーヒーは何が妊婦に良いのでしょうか? タンポポコーヒーが妊婦の身体に良いって本当ですか?いろんなサイトを見ても今いちよく分らないので教えて頂けないでしょうか。それとタンポポコーヒーとタンポポティーはどう違うのか教えて下さい。 3月~4月に茎が伸びて黄や白の舌状花で咲き誇るタンポポ。春の空気を淡紅色に染める華麗な桜と共に春の野を見事な黄色の絨毯に変えるかと思えば、ふと気がつくとそっと路傍に佇んでいる健気なタンポポはどこか郷愁を誘う花です。 先ず動画をご覧ください。
タンポポの英語名はダンデライオン(dandelion)です。フランス語の「dent de lion 」が語源です。「ライオンの歯」という意味です。 葉の形をよく見てください。タンポポの葉のギザギザの深い切りこみを見たフランス人がライオンの鋭い歯を連想したのでしょうね。 タンポポの根を焙煎して粗挽きにした物を「タンポポ茶」とか「タンポポコーヒー」と呼んで写真のような商品が販売されています。 「タンポポコーヒーとタンポポティーはどう違うのですか?」というご質問 商品名が異なるだけで同じ物です。 今では、オーガニックな健康食品として愛用する人も増えましたが、その歴史の始まりは19世紀に米国で考案されて1830年代にレシピがニューヨークアルビオンに掲載され1886年ごろに安価なコーヒー材料として知られるようになりました。第二次世界大戦中には、コーヒー豆が手に入らなくなったドイツでコーヒーの代用品として普及したようです。 タンポポはクロロゲン酸(別名;カフェオイルキナ酸)を含んでいるので、焙煎すると本物のコーヒーに似た風味があるからです。コーヒーの代替品としての歴史を踏まえると「タンポポコーヒー」になります。 タンポポの漢名は蒲公英(ほこうえい)と称します。この蒲公英というのはタンポポの根を乾燥させた漢方生薬の名称です。東洋では、古来タンポポを漢方生薬としています。この蒲公英は解熱解毒・消腫散結作用があるとされています。妊婦の身体に良いどころか癌を治す効果があるとも言われているのは、漢方生薬の消腫散結作用を取り上げているのです。この漢方生薬の歴史を踏まえると「タンポポ茶(ティー)」の方が合うようです。 いかがでしょうか。上述の説明は私の主観ですが、珈琲と茶の2つの呼称は、それぞれの発祥地の食文化から付いた呼称だと思います。 妊婦の身体に良いって本当ですか?というご質問 コーヒー好きの日本人は多いですね。コーヒー消費国として、日本は米国、ブラジル、ドイツに次いで世界第4位で、フランス、イタリアより多いというのは意外です。妊娠していてもコーヒーを飲みたい女性も多いようです。その点、カフェオイルキナ酸を含んだタンポポの焙煎根ならカフェインの心配をしなくてすみますから妊婦さんの身体には良いと思います。タンポポ根は、上述のとおり、漢方生薬としての効能があるとされています。この効能は妊婦に限ったことではありません。漢方生薬と考えるのが正しい認識ではないでしょうか。 付記>> 先日、某ブランドバッグの販売員の方から 「新色の黄色いバッグのカラー名が dandelion と記載されていたのですが何の意味かわからなかったのですが貴社の記事を拝見してスッキリしました。さっそく、知ったかぶりして店のスタッフに話すと...」 とのお便りを頂きました。思いがけないところでお役に立つものですね。きっと、デザイナーはタンポポの鮮やかな黄色を表現したかったのでしょうね。 |