フランス料理の神様、フェルナン・ポワン(Fernand Point)。
フランスリヨンのヴィエンヌにあるガストロノミックレストラン「ラ・ピラミッド 」でオーナーシェフだった彼が、食後のデザートとして考案し『世界で一番美味しいデザート』と絶賛されたのが伝説のガトー『ガトー・マルジョレーヌ』である。
ヴィエンヌ駅近くのピラミッドの石碑に隣接した庭とラ・ピラミッド
いかにもガストロノミーの雰囲気が漂う
まさに、ガストロノミックガトーと呼ぶべき、ポワンの伝説のケーキ。
そのケーキと下町の中の下町、「キラキラ橘商店街」で出会ったので驚いた。墨田の研究所に行くのに商店街を通り抜けていたら、不似合いな新しい店が… 『オーデリスドゥケンジ』というケーキ屋さん。おいおい、オッチャンオバチャは読めないだろ。笑 ケーキでも買っていくかと何気に入った。
えっ~!?なんとケース中には、美しい正真正銘ガトー・マルジョレーヌが並んでいるではないか。東京スカイツリーに近い昭和レトロな下町人情商店街ということでTVでお馴染みになったとはいえ…
オーデリスドゥケンジの美しいガトー・マルジョレーヌ
マルジョレーヌは、フランスらしいブラウン・ベージュ・ホワイトの色合いが独特の、パートシュクレ・ガナッシュ・クリームシャンティ・プラリネクリームシャンティの四つの層が絶妙なケーキである。
ホワイト部分がクリームシャンティ(生クリーム)の層。ベージュ部分がプラリネクリームシャンティ(プラリネと生クリームを混ぜたクリーム)の層。上中下のブラウン部分がパートシュクレ層。上と真ん中の生地に比べて厚みがある下の生地は、生地と生地の間にガナッシュ(濃茶の部分)を挟んだ層。世界一美味しいデザートと絶賛されたポワンさんの伝説のレシピである。
パティシエの腕はマルジョレーヌで判ると言っても過言ではない。腕自慢のパティシエでなければガトー・マルジョレーヌは作らない。聞くと、オーナーは元コルドンブルー講師の堀健志さんであった。
仕事柄、大丈夫かなと余計な心配をしていたが、通りがかりに立ち寄ってはマルジョレーヌを手土産にしておったのだが、先日通ったら閉店したらしく店が変わっていたのである。
場所を変えたのだろうか?楽しみにしていたマルジョレーヌが味わえないことよりも店がどうなったのかが気に掛かった。またいつかどこかで、堀さんの美しいマルジョレーヌに出会えることを楽しみにしているのである。