<ご質問>マクドナルドのパンは遺伝子組み換え小麦を使っていないというのは本当ですか? 今まで遺伝子組み換えといっても何が有害なのか分からなかったのですが、エムケイコンサルティングさんの記事を読んでラウンドアップレディーのことやGMO表示規制の問題を知り驚いて怖くなりました。子供が3人いるので買い物の時にはマクドナルドを利用していました。マクドナルドのホームページには、遺伝子組み換え小麦は使っていないとなっているのですが本当のことでしょうか? (2015/5/26 千葉県・主婦) ご質問をいただきありがとうございます。 ついつい、マクドナルドで済ますというのはよく分かりますが、ファストフードが子供に与える悪い影響については理解しておくべきだと思います。 マクドナルドのパンは安全か?というご質問にお答えします。少しややこしいのですが理解してください。 バンズに使用している小麦は、遺伝子組み換え小麦ではありません。アメリカ、カナダ産のものを使用していますが、この2カ国では遺伝子組み換え小麦の商業栽培は行われていないのです。 買い付けは日本政府が行い、安全と確認された小麦は製粉会社に買い取られ、小麦粉の状態にし、工場へと出荷されるのです。 と言うマクドナルドの回答です。その通りですが、これでは説明不足です。 この機会に正しく理解してください。マクドナルドの説明に補足します。 ラウンドアップレディーの遺伝子組換小麦は、2000年初頭、既に開発されモンサント社は米国とカナダで生産を開始する計画でした。 米国での生産申請は、消費者が猛然と反対したにも拘わらずすんなり承認されました。ところが、カナダでは、反対勢力に政府が負けて、カナダ政府は生産を断念しました。最大の小麦輸入国である日本の食糧庁と製粉業界も、モンサントに対して、遺伝子組換小麦の生産を始めたら輸入先を変更すると警告を発しました。 そのため、米国内の小麦生産者からも先行き不安という意見が続出し、2005年、ついにモンサントはGMO小麦の生産を断念しました。 日本が年間600万トン以上輸入している小麦は殆どが米国かカナダ産です。GMO小麦は反対されて、今は生産されていません。 しかし、問題はここからです。 当サイトでも取りあげていますが1970年代から欧米でも日本でも小麦による健康被害が急増しています。遅性アレルギーであるグルテン不耐症やそれが悪化したセリアック病の患者数は1970年代に、それ以前の20倍になりました。 将来、GMO小麦が流通すれば健康被害が増えることは間違いありませんが、モンサント社がGMO小麦を開発したのは2000年初頭ですから1970年代にはGMO小麦はありません。 それでは、グルテン不耐症患者が急増した原因は何だったのでしょうか? カナダと米国の小麦は1960年代に「化学的突然変異誘発」とか「放射線学的突然変異誘発」などの技術で作られた粒が矮小のずんぐりした品種です。 その小麦がモダンウィート(現代小麦)と呼ばれるものですが、突然変異を誘発するために有毒化学物質や放射線を使うので見方によっては遺伝子組換小麦よりも危険だと言う科学者もいます。 写真をご覧ください。背丈、粒の大きさなど、小麦といっても、古代小麦と現代小麦は異なる穀物だと考えるべきです。 グルテンの量も10倍です。つまり、有害とされているグリアディンの含有量が10倍ということです。 マクドナルドがバンズなどの原料にしている小麦は、今のところGMO小麦ではないでしょうが、すべてモダンウィートです。 従って、健康被害が起きても不思議ではありません。 GMO小麦を使っていないから健康被害に繋がらないという理屈は成立しません。 ご参考にしてください。 |