欧米での好調な販売の噂が流れて日本でもステーショナリーショップなどからの引合いが相次ぎ、徐々に販売されるようになりました。その後、当社がコンサルティングさせてもらっている銀座吉田㈱が国内での拡販を本格的に始めたことによって、デザインショップ、ミュージアムショップ、さらにはアパレルショップへとジャンルを越えた売場の拡大が功を奏してヒット商品になりました。

こうした職人とデザイナーとブランドとのコラボレーションで一番難しいのが、商品を知ってもらうこととそれを販売市場に流通させることです。このペーパーホルダーも、楓岡さんと大高さんによると、売り先を探すことや拡販するのはとても大変だったそうです。しかし、この問題も偶然の出会いにより解消されることとなりました。インテリアショップやデザインショップに販路を持っていた銀座吉田がこのペーパーホルダーの「他にはないデザイン性の高さ」と「持続的な販売の可能性」を感じ取扱いを開始しました。そうして、ステーショナリーという枠にとどまらず、多くのカテゴリーのバイヤーの目にとまり店頭に並び始めました。こうした興味深い成功譚は、今後、同じような取り組みをする企業にとって参考になるのではないでしょうか。

すこし話がそれましたが、このペーパーホルダーは2006年にグッドデザイン賞を受賞。さらに2010年にはその販売実績が認められグッドデザインロングライフデザイン賞を受賞。今では、文具オブジェとしていろんなセレクトショップやアパレルショップ、ライフスタイルショップなどでも販売されている人気商品になっています。
haneのほかにもエムケーマートでも人気の美しいZ-standペン立てなど多くのバネ素材からヒット商品をつくり続ける楓岡グッズをこれからも楽しみたいと思います。